FujiFilm X-trans機のRAW現像比較

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Fujifilmのミラーレス機は、レンズのクオリティの高さ、単焦点レンズの豊富さ、防塵防滴対応、発色の良さなどの面で非常に魅力があり、ずっと愛用してきました。

Webなどで、「FujifilmのX-trans(※X-T2, X-pro2, X-H1, X-E3などのミドルクラス以上に採用されている撮像素子)機は、葉っぱや桜などの遠景の表現に難がある」ということが指摘されているのは私も把握していました。
俗に言う、「ポップコーン」「モヤモヤ」「芋虫っぽい」とか言われているアレです。

ただ、これまでそこまで明確に「うわ、これはひどい」というものに(運良く)出会ってこなかったので、あまり気にしていませんでした。
しかし、快晴の燕岳登山の写真で「む…これはどう考えてもおかしい」というのに遭遇しました。それがこの写真です。

いずれもLightroomでRAWファイルから現像したものです。
Blogで縮小写真として見る分にはそこまで気にならないのですが、(等倍とまで言わずとも)ちょっと拡大すると「アレ?」っというところが散見されます。
(ぜひフルサイズに拡大してご覧になってください)

具体的には、葉っぱの部分の表現(モヤモヤしている)だったり、山の岩肌(槍ヶ岳近辺など)の不自然さだったり、全体的な解像感の低さだったりです。

これが世に言う「X-transイケてない」というヤツか。
過去にも、Fujifilm機の検証で名高いかずやん氏のブログでX-trans機とベイヤー機の比較があり、「X-trans機の方がいまいちパッとしない」ということが実証的に言われていたので、いよいよ買い替えか、と思っていたところ、海外のブログで、「RAW現像ソフトでかなり差がでる。具体的には、Iridient Developerを使うと全く違う結果になる」というのを目にしました。
私自身、ちょうどいいサンプルに遭遇したので、自分で色々試して見ることにしました。
結論、驚くほどの差がでたので、ご紹介します。

Fujifilm機で登山をされる方は、同様の悩み(遠景の葉っぱや岩肌の表現に不満を感じる)をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますので、何らかご参考になれば幸いです。

使用したソフトウェアのバージョン

  • Iridient Developer (ID):3.2.2
  • Adobe Lightroom (LR): 7.3.1 Camera RAW 10.3
  • RAW FILE CONVERTER 2.0 EX powered by SILKYPIX (RC):4.3.1.0
  • Fujifilm X RAW STUDIO (FXRS):1.2.0

全て同一のRAWファイルからのストレート現像で比較しています。
判別しやすいように、ファイル名を「xxxx_現像ソフト略称.jpg」としています。

1. Iridient DeveloperとJPEG撮って出し(RAW同時撮影)の比較

Iridient Developer(ID)の方が圧倒的に繊細。JPEGは悪名高い「モヤモヤ」が出てしまっている。
「テント用トイレ」の文字も、IDは読めるが、JPEGだと潰れていて読みづらい。
IDandJPEG

より驚いたのは砂の表現。「葉っぱがモヤモヤする」は有名だったが、砂地のテクスチャの表現に大きな差。JPEGは陰影のコントラストも不自然。
ID&JPEG_2

2. Iridient DeveloperとLightroomの比較

LRのモヤモヤ感は撮って出しのJPEGに比べて多少マシ、という程度で、IDと比べると大きく劣る。
ID&LR

こちらも大きな差が出ている。やはりIDの繊細さな表現とは大きく差がある。まるで画素数が1/3ぐらいになったかのよう。
スクリーンショット 2018-07-07 21.19.14

別の写真の拡大。葉っぱの表現に明らかに差がある。LRでは、世に言う「芋虫」「ポップコーン」状の表現になっている。
スクリーンショット 2018-07-07 22.52.19

3. Iridient DeveloperとRAW FILE CONVERTER 2.0 EX powered by SILKYPIXの比較

RC側は妙にコントラストが高い。好みによってはありかもしれないが、奥のロープの部分などをみても、IDの方がより細かく解像している。
ID&RFC

同じくRCの方がコントラストが強い。IDで表現できている細かな砂の粒が、RCでは潰れてしまっている。
スクリーンショット 2018-07-07 21.19.54

RCでは、LRのような芋虫現象は見られないが、とはいえIDと比べるとかなり大味な表現である。
スクリーンショット 2018-07-07 22.52.43

4. Iridient DeveloperとFUJIFILM X RAW STUDIOの比較

X RAW STUDIOは、パソコンとカメラをUSB接続し、カメラ本体の画像処理エンジン「X Processor Pro」を使用して現像するソフトで、2017年にリリースされました。
USB接続の面倒さがあるものの、より高速な演算処理が可能というのがウリです(実際、すさまじく早いので、大量に現像する人には有益なソフトです)。

結果はというと…パッとしません。むしろRAW FILE CONVERTERの方がちょっとマシかも。
スクリーンショット 2018-07-07 21.16.12

砂の表現はRCよりさらにモヤっとしている感じ
スクリーンショット 2018-07-07 21.16.55

葉っぱの表現だとよりモヤモヤ感が出る。
スクリーンショット 2018-07-07 22.55.02

5. 各ソフトの評価

これまでの比較からわかるとおり、解像度、繊細さでいうとIridient Developerの圧勝である。
現像速度もFUJIFILM X RAW STUDIOを除いて他のソフトとそんなに差があるわけではなく、扱いやすい。

強いて難点をあげると下記の点か。

  • ID現像は、他のソフトに比べてパープルフリンジが残っていることが多い
  • 英語のみ
  • そこそこ値が張る(私が購入したときのレートで12,881円)
  • フィルムシミュレーションが使えない(→対策あり。6.にて後述)

最後の点が悩ましい。フィルムシミュレーションの完成度の高さ、発色の良さは、Fujifilm機を使う大きな理由の一つだったので、これが使えないとなるとそもそもの魅力度が大きく減ってしまう。
Lightroomから外部エディタとしてIridient Developerを立ち上げる方法が海外のブログに書いてあるが、なぜか私の環境だとうまくいかなかった…。

6. 解決方法

最終的なフローとして、Iridient Developer単独で現像するのではなく、

  • Iridient X-TransformerでRAFファイルをDNGファイルに変換
  • それをLightroomで読み込んで現像

というプロセスに落ち着いた。
これであれば、IDと同じレベルの解像度を得られる上に、Lightroomでフィルムシミュレーションを当てることができる。
ちなみに、Iridient X-TransformerはIridient Developerよりずっと安い(3,000円ちょっと)ので、この組み合わせだとお財布にもやさしい。

欠点は下記だが、概ね何とかなるレベル。

  • 二つのソフトを行き来するので面倒
  • 新たに生成したDNGファイルにフィルムシミュレーションを当てた結果と、もともとのRAFファイルに当てた結果で、若干色味に差がある(RAFファイルにPROVIAを当てた結果とDNGファイルにPro Nega STDを当てた結果が同じぐらい)
  • DNGファイルをLightroomで現像する際、うっかり右下の「初期化」を押してしまうとおかしなことになる(ぜひ一度試して見てほしいw)

DNGファイルから現像したものと、RAFファイルから直接現像したものを下記に上げておきます。
(Iridient X-Transformerはまだ試用期間中なのはご容赦ください)

ちょっと手間はかかるけど、X-T2を売ってX-T100に乗り換えようかと思っていた最中にちょうどいい解決策が見つかってほっとしました。
何らかご参考になれば幸いです。

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